恋、koi、コイ
独身女の私が、雷に打たれたのは半年前。
梅雨の季節。
雷に打たれた、というより『思わぬ事故』
と言った方が適切な表現かもしれない。
『好きだ』と言われる事故。
職場での告白から始まった既婚者、男性上司。
”ビアン”の性自認をもって頑なに生き、
恋人・パートナーのいる方を避けてきた私が、
何故、彼を受け容れているのか、
ずっと自問自答してる。
部下として、彼の妻に会い
娘婿にも街中で偶然挨拶をし、
客先に向かう助手席で
年始の家庭の出来事を聞いては、
ひとり胸がチクチクと痛む・・・これが現在。
何をやってるんだろうな、自分。
格好悪いことは重々分かっている。
聞けば、30代の頃から家庭外に恋人がいた彼。
話の内容で把握しているだけで、4人。
世の中には、こんな人もいるんだなぁと
人間不信になりそうになる。
そして、ズルい夫をもつ妻が気の毒にもなる訳で。
彼なりに今を大事にしているのかもしれないけど、
何かが違うと心のアンテナが言う。
ビアンの自認があり、元々、私に”結婚”の概念・意識はない。
でも、お互いだけを真っすぐ見て素直になれる相手と
関りを持ってきた。
私には18歳の頃から常に誰かが傍にいた。
妙なプライドのある彼には言ってないけど、
相手をいかに想い、一緒に楽しもうとするか、
人数よりもずっと大切なことだと私は思ってる。
現在の私は、彼の腕を触ることが多い。
腕を触って、やっと存在を確認する感じ。
すぐ隣に居ても、傍にいるという実感がわかない。
今は人生の旅の途中。
本当は、もっと楽しい旅をしたいよね。